IT企業の目線で漫画「ITおじさん」をレビュー

ITおじさん」という漫画は、IT業界をテーマにしたコメディ漫画です。

作者の山田しいたさんのSNSで掲載され、コンテンツ配信サイト「cakes」でも連載されていました。

「ブロックチェーン」、「キャッシュレス」、「AI人材」など聞いたことがあるようなテーマを元に、IT企業について描かれています。
IT業界の人ならわかるあるあるも書かれていますが、他業界の方は、「これって本当なの?」「今でもあることなの?」と感じるかもしれません。

そこで本記事では、漫画の内容が事実なのか、弊社エンジニアに真偽を尋ねてみました。

目次

仲介者が多く、本来頼んでいたものとかけ離れたものが納品されるのは本当?

引用元:山田しいた note

漫画内では、アプリを頼んでいたのに麻薬が納品されるという滅茶苦茶な展開。

IT企業でなくとも伝達系統が複雑になっていると、本来意図していたものと異なるものが完成するということは、ビジネスにおいてよくあることですよね。

果たしてIT企業でもあるあるなのでしょうか?

これはよく起こりそうだな…

A.本当

顧客、担当者、プログラマー、営業など、仲介者が多い大規模なプロジェクトの場合、それぞれの思い込みによってうまく意思疎通が取れないということが起こりうるようです。

また、SES等の仲介者が入ることが多いIT業界では、二社以上の仲介企業が存在することも多く、意思疎通が困難になりやすいそうです。

仕様書が存在しないって本当?

引用元:山田しいた note

プログラム仕様書とは、プログラムを作るための設計図のようなもので、そのプログラムの機能や動き方など、開発のゴールを示している資料となります。
しかし物語では、その仕様書がなんとヒエログリフで書かれていました。

仕様書がなかったり、あったとしても内容が適当であれば、ずっと前に誰かが作ったプログラムでなぜか今も動いているけど、当時の担当者はもうおらず、不具合が起こってもなぜかがわからない!ということになってしまいがちです。

大事な資料がないのはフィクションなのでは…?

A.本当

実はIT企業の中で仕様書がないことは、意外とあるみたいです。

ただし、単にIT企業と言っても、ウェブ系から金融システムまで企業の幅は広くあります。
速さが重視されるウェブ系に対して、セキュリティが重視されたり長期で運用されるシステムの開発では、重みが違うという考え方もあるようです。

しかし、仕様書が無いことで認識の齟齬が生じてしまい、結果的に不具合やお客様の不満に繋がるということにもなりかねないので、仕様書はあるのが一番ですよね。

サーバーに御札が貼ってあるって本当?

引用元:山田しいた note

サーバーダウンは、アクセスの集中やハードウェアの障害などによって、企業の業務の中枢であるサーバーシステムが停止してしまうことを言います。

物語では、サーバーの部品が故障してしまったことによりサーバーが落ち、主人公が復旧に向かうのですが、そこにはなんと御札が。そのうえ結界が貼られていたりと、神頼みしている様子が伺えます。

さすがにこれはフィクションでしょ!

A.本当

これはIT業界で都市伝説的な話になっているようです。
しかし、ネットでは実際に御札を貼ったことがある方もいらっしゃいました。

中には神棚を設置していたという方も!

御札や神棚を置くのは一般的ではないかもしれませんが、本当にあることのようです
サーバーダウンを何が何でも避けたいという気持ちが伝わってきますね…
ちなみに弊社のサーバーには御札も結界もありません!

人権のない開発現場が存在するって本当?

引用元:山田しいた X

主人公の昔の話として語られる、刑務所のような現場での開発体験です。
求人サイトには「働きやすい職場です」と書かれていた、まさにブラック企業という感じですね。

ツイッターにはこんな意見もありました。

そんな職場があれば大問題になってるでしょ!

A.昔はあった

番号で呼ばれるということはさすがになかったようですが、人権がないブラック企業は一昔前はよくあることだったようです。

実際にブラック企業で働いていたことがあるエンジニアの方曰く、

  • 休みを取ることが許されない雰囲気
  • 会社での寝泊りは当たり前
  • 仕事の押し付け合い

等々、精神的にも辛い状況が続いていたようです。

もちろん全てのIT企業が、長時間労働、低賃金などの劣悪な職場環境だということはありません。
しかし、IT業界は多重下請構造が原因でブラック化しがちだと言われます。
多重下請構造は、大手の企業が下請け企業に業務を委託し、さらにその下請け企業から二次請け、三次請けへと委託されていくピラミッド構造のことです。

多重下請構造では、元請け企業の急変更や追加の発注に対応するため、残業や休日出勤を強いられることがあります。
また、ピラミッドの下位にいくにつれ利益率が低くなり、長時間労働で低賃金というブラックな環境になってしまいがちなのです。

しかし現在では、IT業界でブラック企業と呼ばれる会社は減ってきていると感じられます。
就職活動中に、数年前より労働環境が改善されたと話すIT企業の方が多かったと言うエンジニアの方もいらっしゃいました。

これからエンジニアになるのはやめたほうがいい

求職者

エンジニアって大変そうだし、目指すのはやめといた方がいいかな…

と思っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、IT業界のブラック企業はかなり少なくなってきており、エンジニアは今後も高い需要が予想される将来性が高い職業です。そのため、ブラック企業を選ばなければエンジニアは良い選択肢になるでしょう。

ブラックなIT企業の特徴を知りたい方はこちら

まとめ

本記事では漫画「ITおじさん」をIT企業の目線からレビューしました。
エンジニアが共感できる部分もたくさんありつつ、IT業界を知らない一般の読者も楽しめる作品となっていました。

「ITおじさん」は現在2巻まで発売されています。IT業界について興味がある人はぜひ読んでみてください。

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この記事を書いた人

東京・大阪で20年、システム開発・WEB制作をメインに行っている株式会社セルバが運営する、エンジニアの転職・就職支援サービスです!
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