ITエンジニアは「コミュニケーションが苦手な人が多い」「コミュ障」と言われることがありますが、それは本当なのでしょうか。
本記事では、エンジニアにコミュニケーションが苦手な人が多いと言われる理由と、エンジニアに求められるコミュニケーション能力について探っていきます。
エンジニアにコミュニケーションが苦手な人が多いと言われる理由
ではまず、なぜエンジニアにコミュニケーションが苦手な人が多いと言われるのかについて考えていきます。
理由1: コミュニケーション力よりも知識や技術力を重視する
エンジニアは、主に知識や技術力を求められる職業です。
そのため、コミュニケーション能力よりも知識や技術力を重視する傾向があります。
エンジニアは複雑な問題を解決するために専門的な知識やスキルを持っていることが求められるため、その分野に精通していることが重要視されます。
その結果、コミュニケーション能力が二の次になることがあるのです。
理由2: 内向的な性格の人が多い
エンジニアには内向的な性格の人が多いと言われています。
内向的な人は、自分の感情や意見を表に出すことが苦手で、他人との関わりを避ける傾向があります。
コミュニケーションに苦手意識がある人が多いため、「エンジニアはコミュニケーションが苦手な人が多い」と思われている側面があります。
ただし、内向的な性格だからといって、コミュニケーション能力に難があるわけではありません。
逆に外向的な性格だからといって、コミュニケーション能力が高いわけでもないため、誤解されている部分も多いと言えます。
理由3: チーム主義よりも個人主義の人が多い
エンジニアの仕事は、プログラミングや開発作業を個人で行うことが多いため、個人主義の人が多いと言われています。
個人主義の人は、自分の作業に集中したいという思いが強く、他のメンバーとのコミュニケーションを避ける傾向があります。
そのため、チーム全体の目標や意見を共有するためのコミュニケーションを苦手に感じることがあるのです。
エンジニアに求められるコミュニケーション能力
エンジニアに求められるコミュニケーション能力は、職種によって異なります。
SIerの場合
SIerの場合は、顧客との要件や進捗の確認を行う能力が重要です。
コミュニケーションをとる相手は、主に依頼人であるクライアントと協力会社に所属するビジネスパートナーです。
クライアントに対しては、実装可能なシステムを提案するために仕様を具体化しなければなりません。
また、ビジネスパートナーに対しては、作業の進捗管理を行う必要があります。
SESの場合
SESの場合は、プロジェクトメンバーやクライアントとの円滑なコミュニケーションが求められます。
それはSESが客先常駐の案件が非常に多いからです。
案件ごとに働く環境が変わり、新しい企業や人との出会いが多いのです。
全く知らない環境で自分1人で派遣された場合、コミュニケーション能力がなければ仕事になりません。
気持ちの良い働く環境を自ら作るためにも、客先の社員とも良い関係を築かなければなりません。
つまり新しい環境に即座に対応できる力が必要です。
SES案件のプロジェクトは長くて2年や3年かかることがあります。短くても数ヶ月は客先の会社に出勤しなければなりません。
また1つの案件が終われば、また新しい企業や人と働くことになります。
インフラエンジニアの場合
インフラエンジニアの場合は、他部署やベンダーとの調整するなど、いわゆるマネジメント能力の他にヒアリング能力と提案能力が必要です。
インフラエンジニアは、クライアントの要望をヒアリングし、要望に応じたインフラを提案する業務を担当します。そのため、ヒアリングスキルと提案スキルが非常に重要です。
また、リーダーや上級のインフラエンジニアを目指す場合には、プロジェクトマネジメントスキルも必要となります。
プロジェクトマネジメントスキルは通常、上流工程で必要とされるスキルと考えられがちですが、運用・保守工程でも障害管理や顧客への報告、チームのマネジメントなどが発生するため、どの工程でも求められるスキルです。
WEBエンジニアの場合
WEBエンジニアの場合は、クライアントをはじめ、デザイナーやマーケティング担当者とのコミュニケーションが重要です。
傾聴力や協力して仕事を進めるスキルだけでなく、高いプロ意識や前向きな姿勢も重要です。
クライアントとの密なコミュニケーションを通じて、良好な関係を築くことで、自身の成長だけでなく、クライアントとのWeb開発プロセスが円滑に進むでしょう。
未経験のコミュ障でもエンジニアになれる?
エンジニアにもコミュニケーション能力が必要なら、未経験でコミュ障の自分がエンジニアになるのは難しいかな…?
結論から言うと、コミュニケーション能力に自信がなくてもエンジニアになることは可能です。その理由を解説します。
性格が内向的なだけなら問題ない
特に、性格が内向的なだけであれば、エンジニアになるのに大きな問題はありません。
エンジニアの業務はパソコンに向かっての作業が中心であり、1人で黙々と仕事を進めることができます。
チームや上司とのコミュニケーションも必要ですが、主に仕事に関する事務的なやり取りが中心となるため、雑談力などは求められません。
エンジニアの中には人付き合いが苦手な人や同僚との雑談を好まない人も多いため、同じような性格を持つ仲間と一緒に働くことで居心地よく仕事ができるでしょう。
勉強する意欲があることをアピールする
コミュニケーションに苦手意識のある未経験者の方がエンジニアとして採用されるためには、学習意欲をアピールすることが重要です。
プログラマーなどIT系の職種では、常に学習する姿勢が求められます。
高い学習意欲を持ち、継続的に勉強を続けていく人はエンジニアに向いていると言えます。
管理職を目指すならチーム全体を俯瞰する能力が必要
管理職を目指す場合は、チーム全体を俯瞰する能力やリーダーシップが求められるため、それに向けての努力も必要です。
長くて2年や3年かかるプロジェクトもあるため、長期的な目線で考えられることも重要です。
一定期間エンジニアとして働いてみて、自分に向いていると感じたら、管理職を目指してみることをおすすめします。
まとめ
エンジニアにコミュニケーションが苦手な人が多い理由として、コミュニケーション力よりも知識や技術力を重視する傾向、内向的な性格の人が多いこと、チーム主義よりも個人主義の人が多いことが挙げられます。
エンジニアにこそ求められるコミュニケーション能力もありますが、未経験でコミュニケーションに苦手意識があってもエンジニアになることは十分に可能なので、「自分はコミュ障だから」と諦めずに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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