ITパスポートとは、情報処理技術者試験に合格すると得られる国家資格の一つです。
国家資格と聞くと一見すごそうに思えますが、一方で
- ITパスポートはゴミ資格
- 取得しても意味がない
と言われることがあります。
なぜそう言われるのか、実際に転職や就職で有利になるのか等について解説します。
未経験からエンジニアになるためにITパスポートは必要?
ITパスポートは国家資格ですが、未経験からエンジニアになるためには取得した方が良いのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
エンジニアの仕事にITパスポートの資格は必須ではない
結論から言うと、エンジニアになるためにITパスポートの資格は必須ではありません。
現役でエンジニアとして活躍している人でも、ITパスポートを取得していないことは多いです。
そのため、未経験からエンジニアになるためには、ITパスポートの取得にこだわる必要はありません。
ITパスポートがゴミと言われる理由
「ITパスポートはゴミ資格」と一部では言われることがあります。その理由を解説します。
資格取得の難易度が低い
ITパスポートの試験内容は「無対策で誰でも受かる」と言えるほど易しいものではありませんが、独学でも勉強すれば比較的簡単に合格することができます。
そのため、一般的に「すごい!」と言われるような資格ではありません。
2019~2021年の3年間の平均合格率は55.26%となっています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
受験者数 | 103,812人 | 131,788人 | 211,145人 |
合格者数 | 56,323人 | 77,512人 | 111,241人 |
合格率 | 54.3% | 58.8% | 52.7% |
広く浅い知識しか身につかない
ITパスポートは、広範囲なITの基礎知識を学ぶための資格です。
しかし、浅い知識しか身につけられないため、実際の現場で必要とされる深い知識やスキルをつけることはできません。
取得したからといって転職や就職で有利にならない
ITパスポートを取得したからといって、未経験からエンジニアとして就職や転職するのに特に有利になるわけではありません。
特に転職では実務経験や実績を重視する傾向にあるため、ITパスポートを持っていても実務経験もポートフォリオもなければ、他の候補者との差別化は図れません。
取得したからといって年収が上がるわけではない
ITパスポートを取得したからといって、年収が上がるわけではありません。
会社の制度によっては資格取得により手当などで年収が上がるケースもありますが、ITパスポート取得によって年収が上がるケースは聞きません。
年収を上げたいのであれば、より高度なスキルや専門知識を身につける必要があります。
ITパスポートは履歴書の資格欄に書かない方が良いと言われるのはなぜ?
ITパスポートを取得しても「履歴書の資格欄に書かない方が良い」と言われることがあります。
未経験からエンジニアになりたい人向けに、その理由を解説します。
あくまで広く浅い基礎知識の証明でしかないため
ITパスポートは、広範な基礎知識の証明としての価値がありますが、エンジニアが仕事をする上で必要な深い知識や技術を持っていることを証明できる資格ではありません。
未経験のエンジニア志望の人が
ITパスポートも取得しているので、深い知識があります!
とアピールしても
わざわざ基礎知識でこんなにアピールするということは、今までどれだけレベルの低い状態だったんだ?
と思われて、不採用になる確率が上がる可能性すらあります。
「ITパスポートは履歴書の資格欄に書かない方が良い」と言われる主な原因はこちらでしょう。
実務経験や業務に役立つスキルの方が重視されるため
ITパスポートに限らず、転職では資格よりも実務経験や業務に役立つスキルを持つ人材が評価されます。
実務経験も業務に役立つスキルもないのに、やたらと持っている資格をアピールする人材への印象は良くありません。
ITパスポートという資格の認知度が高くないため
一般的にITパスポートという資格の認知度は高くありません。
書類選考を行う採用担当者でも、ITパスポートという資格を知らない場合があります。
この場合は「履歴書に書かない方が良い」というほどのことではありませんが、書いたところで大したアピールにはなりません。
ITパスポートを取得してよかったこと
ITパスポートは否定的な意見も多いですが、「ITパスポートを取得して良かった」という意見もあります。
IT用語が覚えられる
ITパスポートの取得により、ITに関する基本的な用語や概念を学ぶことができます。
IT用語の意味すらわからなければ仕事にならないため、ITに疎い自覚のある人は取得しても良いでしょう。
基礎すらわからない人が必要な知識をつけるには有益
IT用語もそうですが、そもそも基礎知識が不足している人にとっては、ITパスポートの取得は必要な知識を学ぶ良い機会となります。
公務員採用試験で加点される場合がある
自治体によっては、公務員採用試験でITパスポートを取得していることで加点される場合があります。
いずれ公務員の技術職になりたいと考えている場合には、取得しておくと有利になる可能性があります。
情報処理技術者試験の各資格も、一部の公務員採用試験(市町村職員、警察官、教員など)では資格加点・筆記試験免除の対象です。
引用元:公務員試験が有利になる資格まとめ | 公務員試験情報サイト【KoumuWIN!】
合格した試験区分のレベルにおうじて点数を加算してもらえるか、または試験を免除してもえらえます。
ただ情報処理技術者試験で一番やさしい試験区分(レベル1)の「ITパスポート」については、そうした優遇措置の対象にならない場合があるため注意しましょう。
『簡単に取れて稼げる資格が欲しい』はカモの思考!?
簡単に取れて稼げる資格が欲しい。
その資格があれば転職市場で引く手あまたなのでは?
という考えは、実は大変危険です。その理由を解説します。
資格ビジネスの闇
資格団体や資格スクールが「この資格さえあれば稼げる!」ように謳って受験者や生徒を集めていることは少なくありませんが、実際にはその資格を取っただけで仕事に困らなくなるということはほぼありません。
「簡単に取れて稼げる資格が欲しい」と考える人をターゲットにして、実際には役に立たない資格を取らせて儲けようとする団体が少なくないのです。
それって民間の資格だけでしょ?国家資格なら安心なのでは?
と考える人も多いと思いますが、国家資格でも同様のため安心はできません。
資格ビジネスが儲かる仕組み
資格の取得には受験料や教材費などの費用がかかりますが、その多くは決して安いものではなく、受験資格を得るために数十万もの受講料を支払って講習を受けなければいけないものもあります。
合格後も登録料がかかったり、資格を取得しても活かせていない人向けに新たな講座の案内が届き、受講を促します。
大金を払って得た資格を活かせていない人は、どうにか資格を活かして仕事をしたいと考え、また新たに安くないお金を払って講座を受けることになります。
これが、資格ビジネスが儲かる仕組みです。
誰でも簡単に取れて稼げる資格は存在しない
稼げる資格は、その資格を持つ人に需要があり、かつ稀少価値があるから稼げるのです。
誰でも簡単に取れる資格であれば、企業からすると大金を払ってまで雇うメリットがないため、「誰でも簡単に取れて稼げる資格」なんてものは存在しないと言っても過言ではありません。
「稼げる資格を簡単に取りたい」と考えていると、資格団体やスクールのカモにされてしまうので注意しましょう。
まとめ
ITパスポートは、IT用語の意味がわからなかったり基礎知識が不足している人にとっては有用な資格ですが、未経験からエンジニアとしてのキャリアを築くためには必須ではありません。
ITパスポートに限らず「資格さえ取れば引く手あまた」「資格さえ取れば稼げる」といった思考は資格ビジネスのカモにされるだけです。
安易に資格取得に走るのではなく
本当にその資格がないと採用されないのか?
とよく考えた上で取得するようにしましょう。
知識や技術をアピールしたいなら、ITパスポートを取得するよりもポートフォリオを作ってみることをおすすめします。
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