IT業界は、現在最も注目されている産業の一つであり、多くの人々がIT業界への転職を考えています。
しかし、未経験から転職を考える場合は、客先常駐しかないという言葉をよく耳にします。
本記事では、客先常駐がなぜ悪く言われているのか、未経験者の方がIT業界で転職を考えた場合に、客先常駐以外の選択肢はあるのかについてご紹介します。
IT業界の現状
IT業界とは、情報技術を活用してビジネスを行う産業のことを指します。
主にシステム開発やネットワーク技術、データベース管理などが含まれます。
IT業界は、現在最も注目されている産業の一つであり、世界中で求人が増加しています。
IT業界には多くの役割とキャリアオプションが存在し、エンジニアとしての道以外にも、デザイナーやプロジェクトマネージャーなど、多くのポジションがあります。
未経験者がどの分野に進むべきかを考える際には、自身のスキルや興味に合った領域を探しましょう。
未経験からIT業界に転職する方法
未経験からのIT転職は現在非常に一般的です。
多くの企業が未経験者を積極的に採用しており、専門のトレーニングプログラムや研修制度を提供しています。
これにより、未経験者でもIT業界でのキャリアをスタートすることが可能となっています。
未経験からIT業界に転職する場合、IT関連の資格を取得することもおすすめです。
たとえば、CompTIA、Cisco、Microsoft、AWSなどの資格があります。
プログラミングスクールに入学することで、短期間でプログラミングのスキルを習得することもできます。
主要なプログラミング言語(Python、JavaScript、Javaなど)を学んで、基本的なプログラムを書けるようになりましょう。
インターンシップやアルバイトでの経験を積むことも一つの手です。
これらの経験を積んで、ポートフォリオを作成することで、未経験者でもIT業界での転職が可能になります。
IT業界は常に進化しています。新しい技術やトレンドに対応するため、継続的な学習と専門知識の更新を心がけましょう。
客先常駐とは
客先常駐とは、システム開発などの仕事を依頼した企業のオフィスに常駐し、業務を行うことを指します。
客先常駐の場合、自社のオフィスにはほとんど出社しないため、クライアント企業のオフィスが自分の職場となります。
ネットでは「客先常駐はやめとけ」という意見をよく見かけますが、なぜなのでしょうか。
客先常駐のメリット
まず客先常駐のメリットとしては、顧客との直接コミュニケーションが取りやすくなることや、プロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握できることが挙げられます。また、顧客との関係構築や信頼関係の構築にも役立ちます。
クライアントの企業の業務に携わることで、その業界の知識や経験を身につけることができるのもメリットの一つです。
客先によってさまざまな業務を行うため、幅広い知識や経験を積むことができるほか、社員として働くことができるため、社会保険や福利厚生なども受けられます。
客先常駐はやめとけと言われる理由
客先常駐のデメリットとしては、プロジェクトベースの仕事になるため、プロジェクトの終了後に次の職場へと異動になるという点が挙げられます。
せっかく職場での人間関係を築いたのに、また異動という状況が続くのがストレスになる人もいるでしょうし、一つの仕事にじっくり取り組み、スキルや知識を深く学びたいという人には向きません。
また、クライアント企業の意向に従わなければならないため、自分の意見を反映させることが難しい場合もあります。
さらに、客先常駐は給料が上がりにくいと言われています。
大きなプロジェクトに参加し、ルーティンワークをこなすだけの仕事だった場合、スキルアップも見込めず、低賃金で働くことになるため、不満を抱きやすいでしょう。
未経験からIT業界への転職は客先常駐しかない?
未経験からIT業界に転職するのは一般的ですが、転職先は客先常駐しかないというのは本当なのでしょうか?
結論から言うと、完全な未経験からIT業界へ転職する場合、転職先が限られ客先常駐として働くようになることが多いでしょう。
もちろん企業により異なりますが、IT業界の知識が全くない人に、自社開発を任せようという企業は多くはありません。そのため、客先常駐として経験を積むということが多くなります。
プログラミングスクールや自己学習などによりIT業界の知識をある程度持っている場合は、客先常駐なしのIT企業に就けることがありますが、求人の数は多くありません。
SESと客先常駐の違い
SESとは、システムエンジニアリングサービスの略で、顧客に対してシステム開発やソフトウェア開発に関連するサービスを提供する企業を指します。
SES企業は、プロジェクトに必要な技術リソースやエンジニアを提供し、カスタマーソリューションを開発および実装します。
クライアントの要求に合わせてシステムを設計、構築、テスト、導入および保守を行う役割のため、SESエンジニアは客先常駐として働くことが主となります。
SESと客先常駐は一見同じように見えますが、SESは事業内容としてエンジニアを客先に技術と労働力を提供するサービスのことを指し、客先常駐は働き方を指しています。
人売りIT企業とは?
人売りIT企業とは、IT業界で人材を派遣することを目的とした企業のことを指します。
これらの企業では、クライアントへ人材を派遣することを目的としてエンジニアを採用し、利益を得ています。
エンジニアは正社員として採用されても、1つのプロジェクトへ派遣されるのに複数の会社が間に入り、利益・マージンが引かれ結果として低収入になってしまいます。
客先常駐であるSESは人売りIT企業と呼ばれることがありますが、SESが必ずしも人売りIT企業というわけではありません。
人売りIT企業は客先常駐の仕事の中でも、低収入や労働環境の悪さが目立つ、いわばブラック企業と呼ばれる企業のことを指しています。
そのため、必ずしもSES企業=人売りIT企業ではないので注意しましょう。
人売りIT企業の見分け方
人売りIT企業と言われる企業には特徴があります。
入社前に100%見抜くことはできませんが、これらの特徴を持つ企業の求人には注意した方が良いでしょう。
- 勤務先が「クライアント先」や「プロジェクト先」となっている
- 勤務地があいまい
- 勤務時間が「客先に準ずる」
- 社員数とオフィスの規模が合っていない
- SES事業しかしていない
- 低賃金
大手SIer・独立系SIerでも客先常駐がある?
SIer(エスアイヤー)とは、システムインテグレーターの略で、システム開発や保守を行う企業を指します。
大手SIerは、メーカー系・ユーザー系と呼ばれるようなSIerのことで、大手企業がシステム部門を子会社として独立させた業態のことを言います。
大手SIerでは、基本的に親会社や系列会社の仕事を請け負うため、客先常駐はない場合がほとんどです。
一方、独立系SIerは、親会社やグループを持たずに独立経営しているSIerのことを指します。
親会社から請け負う仕事はなく、顧客のニーズに合わせてシステム開発を行います。
独立系SIerは下請けの仕事になる場合が多く、客先常駐となりがちです。
客先常駐なしの仕事
デメリットも多い客先常駐を、絶対に避けたい!という方もいるでしょう。
客先常駐がない自社のオフィスでできる仕事は、ソフトウェア開発やシステム保守、クラウドエンジニアなどがあります。
客先常駐なしの仕事を見つけるには、地道なリサーチと努力が必要です。
先述の通り、未経験で客先常駐ないの求人を見つけるのは簡単とは言えません。
転職サイトから探すことはもちろん、転職エージェントを利用することもおすすめです。
IT業界に特化した転職サポートもあるため、こうしたサービスを利用し自分の条件に合った求人情報を受け取りましょう。
まとめ
未経験者がIT業界で転職を考えた場合、客先常駐が主な選択肢になります。
どうしても客先常駐を避けたい場合は、IT関連の資格取得やプログラミングスクールに入学することで、スキルアップを目指して自社開発の企業に入る方法が王道でしょう。
また、転職サイトを積極的に利用することで、客先常駐以外の求人情報を収集して比較するのもおすすめです。
IT業界は、未経験者でも転職が十分に可能な産業なので、客先常駐しかないからと諦めずにチャレンジしてみることをおすすめします。
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