SIer(エスアイヤー)とは、System Integrator(システムインテグレーター)の略語で、システム開発や運用に関する業務を請け負う企業を指します。
しかし、ネットでは「SIerはやめとけ」「腐ってる」などの意見が見られます。
本記事では、SIerについての弱点と叩かれすぎる理由について解説し、SIerになるべきでない人についても触れていきます。
SIerとは何か?
SIerは、「System Integrator」(システムインテグレーター)の略で、情報技術の専門知識を提供し、クライアントのニーズに合わせたシステムを構築・導入する企業や組織を指します。
大手SIerと独立系SIerは、規模や提供するサービスの種類において異なります。
大手SIerは多くのリソースとプロジェクトを持ち、独立系SIerは特定の領域で専門性を提供しています。
大手と独立系の違い
SIerの大手企業と独立系企業について、その違いを詳しく解説します。
大手企業は、大規模なプロジェクトに参加することが多く、社内の教育プログラムが充実しているため、スキルアップがしやすいというメリットがあります。一方で、プロジェクトによっては、単調な作業が続くこともあります。
独立系企業は、中小規模のプロジェクトに参加することが多く、クライアントとの直接やりとりが多いため、システム開発等の業務以外のスキルも身につけやすいというメリットがあります。
しかし、プロジェクトの規模が小さいため、給与水準が低い傾向があるというデメリットがあります。
SIerはやめとけ・腐ってると言われるのはなぜ?
SIer業界について、「やめとけ」「腐ってる」などと言う人がいますが、なぜなのでしょうか。
具体的な問題点を見ていきましょう。
技術力の低さ
SIer業界は技術力が要求される分野ですが、一部の企業やプロジェクトでは技術力が不足している場合があります。
これがシステムの品質や納期に悪影響を及ぼすことがあります。
また、SIerのエンジニアには、技術力の低い人材が多いという指摘もあります。
特に、大手SIerには大量採用が行われることが多く、採用基準が低いという声があります。
そのため、プロジェクトに参加するエンジニアの中には、技術力に欠ける人材も混じっているというデメリットがあります。
客先常駐
SIerの仕事は一部のプロジェクトで客先常駐が必要とされます。
客先常駐は、SIerの専門家が特定のクライアントのオフィスや施設で働く形態です。
SIerのチームや個人が、クライアントのプロジェクトに対して物理的に立ち会い、要件の収集、システムの設計、開発、テスト、導入などの作業を行います。
クライアントのオフィスで仕事を行うため、プロジェクトによって業界や文化に適応する必要性があり、ストレスになることがあります。
また、プロジェクトによっては長時間労働になることがあり、残業によってワークライフバランスが損なわれるという問題点があります。
叩かれすぎている理由
SIerは、技術力が低い、残業が多い、ストレスがたまるなどの問題点があるため、叩かれることがあります。
しかし、その一方でSIerで働くエンジニアには、顧客ニーズに応えるために日々努力している人が多いというのも事実です。
そのため、叩かれすぎる理由には、誤解も多く含まれている可能性が高いです。
文系出身者がSIerに転職する際の注意点
SIerは文系出身者でも就職できることが多々あり、プログラミング言語の知識やIT技術の理解が浅いまま就業しているという指摘もあります。
文系出身者がSIerに転職する際の注意点について解説します。
学習意欲と熱意が必要
SIer業界は技術的な仕事が多く、文系出身者にとっては新しいスキルを習得する必要があります。
学習意欲や熱意を持つことが成功の鍵です。プログラミング、データベース管理、ネットワーク管理など、必要なスキルを学習し、実務で活用できるように努力しましょう。
また、技術は絶えず進化しており、新しい知識とスキルを習得し続ける姿勢が求められます。
新しいテクノロジーやツールに対する学習意欲を持ち、自己成長に取り組みましょう。
経験の積み重ね
SIer業界はプロジェクトベースの仕事が多いため、異なるプロジェクトに参加し、経験を積み重ねましょう。
多くのプロジェクトでの成功は信頼性を築きます。
さらに、特定の業界や技術分野に特化し専門知識を構築すると、自信の競争力を高めることができます。
プロジェクトマネジメントのスキル
文系出身者の強みの一つはコミュニケーションスキルやプロジェクトマネジメントのスキルです。
SIerのプロジェクトは複雑で多岐に渡り、時間と予算を遵守しつつ品質を保つために効果的なプロジェクトマネジメントが必要になります。
また、プロジェクトチームとクライアントとの効果的なコミュニケーションが不可欠です。
要件の確認、進捗報告、問題の解決、期待値の調整など、コミュニケーションはプロジェクトの成功に直結します。
SIer業界の進化
SIer業界はこれらの課題に対処し、進化しています。
一部の企業は、従業員のワークライフバランスを改善し、ストレスを軽減する取り組みを行っています。
また、従業員に対する継続的な教育とトレーニングが提供され、新たな技術の習得や専門知識の獲得が奨励されています。
さらに、SIer業界はデジタルトランスフォーメーションにおいて中心的な役割を果たしています。
企業は既存のプロセスをデジタル化し、新たなデジタルプラットフォームを構築する必要があり、SIerはその支援を提供しています。
これにより、業界はITインフラストラクチャのクラウド移行、ビッグデータ分析、IoTの導入などの新しい分野に進出しました。
SIerの価値と将来性
SIer業界は情報技術の進化とビジネスのデジタル化に不可欠な役割を果たしており、将来性も期待されています。
デジタルトランスフォーメーションが加速する中、SIer業界はますます需要が高まるでしょう。
企業はデジタル技術を活用してビジネスを改革し、SIerはその過程で重要なパートナーとしての役割を果たします。
また、クラウドコンピューティングと人工知能(AI)の成長により、SIerはクライアントに新たな価値を提供できる機会を増やしています。
クラウド移行やAIの導入を支援し、効率化と革新を実現すると考えられます。
まとめ
SIer業界に対する否定的な評判があることは事実ですが、それは全てのSIer企業に当てはまるわけではありません。
SIer業界は進化し、改善されつつあり、多くの価値を提供しています。
クライアントのニーズに応え、技術の進歩に貢献するために、SIer業界は今後も重要な役割を果たし続けることでしょう。
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